私がイノシシの解体で使う刃物の紹介
西表島のカマイ(イノシシ)の猟師はほぼ全員が自分で解体までします。
解体方法はそれぞれ違いがあると思うのですが、解体に使う刃物はこだわりがある人もいれば、百均の包丁を使っている人もいます。
ここでは私が解体で使っている道具の紹介をいたします。
1.正広作 MV-P 骨透(丸)
2.源兼正 Mシリーズ 全鋼 骨スキ(丸)
3.刀舟技研 刀舟 エレガンスII 骨スキ(角)
4.木屋 梅冶作 鎌型 錆びやすいため黒錆加工をしてます
5.自分で作った肉から肋骨を外す道具
6.スチール棒(包丁ヤスリ)
1〜3は骨スキ包丁で特徴は、肉から骨を切り離すための日本独特の包丁です。洋包丁なのに片刃で作られており、骨に添って刃を動かすので、骨に当たっても刃先が刃こぼれしにくいよう身が厚くなっています。サバキとも呼ばれます。
角型(東型)と丸型(西形)があり、洋包丁で東型と西型があるのは骨スキだけのようです。
私の場合は捌く部位によって使い分けてます。
一番使う頻度が多いのが3の角型です。
4は鎌型で骨を抜き終わった肉を、最後に切り分ける時だけ使います。
地味に一番高い結婚祝いで妻が友人から贈られた包丁です。鋼材は武生V1号鋼でめちゃめちゃ切れ味がいいのですが、とても錆びやすいので手入れを楽にするため黒錆加工してみました。
5は肋骨を肉から外す道具で、「解体用ポンドリーマー」とう商品を参考に自分で製作しました。
6はスチール棒という道具で、よくお肉屋さんがシャッシャッしているやつです。包丁に付いたイノシシの脂を取り除く道具です。解体していると包丁にだんだんと脂が付着し、徐々に切れ味が落ちてきます。その脂を包丁から取り除くための道具です。「なんか切れなくなってきたな〜」と感じたらスチール棒でシャッシャッとしてあげると、切れ味がよみがえりストレスなく解体ができます。決して包丁を研ぐためのものではありません。
ハンティングナイフより専用包丁を選ぶ!
私は刃物が全般的に好きという危ない性格のため、西表島の中では解体刃物にもこだわっている方だと思うのですが、一つ言えることはハンティングナイフは解体には使いません。
通常ハンティングナイフは解体もできるけど、通常のナイフとして木の枝を伐ったり、ロープを切ったり、止め刺ししたりと普通のナイフとして解体以外の用途にも使える形状をしているので、山に携行するのにはいいと思います。
ただし、解体だけを目的とした場合は専用の包丁の方が優れているのではないでしょうか。
実際に、食肉処理施設の解体のプロの方でハンティングナイフを使っている方はいないのが現実です。
私の性格上、道具の使いやすさや出来上がりの綺麗さにもこだわっているため、また、解体は必ず持ち帰ってからおこなっているので、何万円もするハンティングナイフではなく、プロも使っている比較的安い業務用包丁を使用してます。
骨スキ包丁はすべてAmazonで購入した物です。